クンドゥン

 

昨日、難波で見覚えのある小豆色の袈裟の僧が数人、片手にマーラーを下げたまま商店街で保温ポットをご覧なのを見かけました。まさか近くにクンドゥンが…?!と少しそわそわしてしましました。笑。高野山での講義を終えて次は関東での講義までの間の少しの自由時間なのかもしれませんね。そして明日は横浜での講演。友人が行くので感想も楽しみです。寒いダラムサラの冬に活躍する保温ポットが見つかると良いなぁと思いながら立ち去りました。

 

クンドゥンというのはダライ・ラマ14世の事を指す猊下と意訳されますが、本来はダライ・ラマ14世に敬愛と親愛の情を込めて使う「尊いもの」という意味があります。

 

歴史の授業でダライ・ラマ制度を知った時「転生?!」というありがちな興味から私のチベットへの関心は始まり、パンチェン・ラマが中国に拘束され「行方不明?!酷い!」というまたまた一般的な興味であれこれ調べる様になりました。

より深く知ろうと思ったのはDavid BowieのSeven Years In Tibetという曲から。

 

 

我ながらミーハーです。。同タイトルの映画もありますが、子供の頃からBowieファンだった私は先にこちらを知る事になったのでした。歌詞だけさっと読むとわかりづらいかもしれませんが本人ははっきりとインタビューで「チベットの置かれている状況について発信したかった」といった内容を語っていました。歌詞についてもわざと具体的に書かなかったと言っていたかと思います。他にもBjorkがFree Tibet!と叫んだ時は胸が熱くなったものでした。

 

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ミーハーでもこういう人間がチベット文化を知りたいと本や映画で知り、チベット仏教を知りたい、チベット人達と話がしたいと大人になってからマジュヌカティラやダラムサラまで足を運んだわけなので影響力のあるアーティストの発言というのは本当に大きな意味を持つものですね。

 

漠然とダライ・ラマ14世とチベットに興味を持っている人は多いけれど、話してみると何故注目を浴びているのか、何故インドに亡命されたのか知らない方も沢山いらっしゃるようです。ティーチングに行くのは勿論素敵な事ですが、少し背景を知っておくとお言葉もより頭に入りやすいかも?と思います。冒頭に出て来た言葉と同じ「クンドゥン」という映画だけでも観ることをオススメ致します。今目にする中では歴史だけでなくチベット文化がぎゅっと詰まった映画です。

 

 

 

ダライ・ラマ14世役をご本人の甥が演じている作品で、映像も美しいです。そしてダラムサラに亡命するまでの映画なので重いシーンも勿論あります。描かれているチベット文化、役者は殆どがチベット人達によって再現され、演じられているので本物に限りなく近いものだと思われます。
長い歴史の中で作り上げて成熟してきた文化というのは人間としてこの世に生を受けた者達皆で作って繋いでいった結晶だと思っています。言語、衣服、食事、造形、建築、装飾、宗教も。形在もので変わらないものはないのですが、非暴力を貫いている人達の文化を同じ人間の手の暴力によって失われるのは悲しい事だと思っています。

先日「ルンタ」も観ました。

 

 

 

ルンタプロジェクトの代表中原一博氏を追った作品です。焼身抗議について描かれているので気軽に観るとヘヴィです。同じ仏教国である筈の日本とはもう精神の在り方まで全く違う事がよくわかる作品でもあります。

 

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これらの映画に「考えさせられました」という感想を言うのは簡単ですが、それで終わりではなくそこから考え始めるものだと思っています。そしてそこからもう一歩、進んでいく人が増えていってそれが集まれば大きな力となっていくのでしょう。映画はその一番最初の「知る」為の存在として素晴らしいですね。監督の池谷氏はこの映画を撮る為に実家を売り払って資金にしたとのことでした。

 

何故自分がチベットに関心を持ち続けているのかはわかっていませんでした。同じアジア人だからなのか、仏教国だからなのか…。ダラムサラにはたった1週間の滞在でしたが、身に染み付いたチベット仏教の教えは自分が思い描く理想の在り方に近く感じたのでした。また、ダラムサラで何度もチベット人と間違われてチベット語で話しかけられて、文化も背景も違う国の人間ですが親近感を覚えたものです。自分の目で見て体験するって本当に大切ですね。

 

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ダラムサラで受けた色んな感情に一時期は同調したり疲れてしまい、もっと精神的に自立してから訪れた方が良さそうだとも思いました。今はその感覚はなく、機会があればいつでも訪れたいと思っています。チベット人の友人とメールをするといつも「チベットの置かれている状況に共感してくれてありがとう」という一文があります。その文を見て何も出来ないながらも、ただ知っていると事からも出来る事があるんだなと思えたからでしょう。

次は訪れてただ見るだけではなく次の1歩を進んでみたいと思っています。今その種が蒔かれたところなので大切に育てていきたいです。

 


 

話は変わりますがインドの高額紙幣(1000Rsと500Rsのみ)が使えなくなります。
2016年の末までならインド国内にて交換できますが、年末までに渡印されない方で高額紙幣をお持ちでしたら紙くずになる前にチベットの学生の奨学金に寄付しませんか?レインボーチルドレンジャパンという素晴らしい活動をなさっている団体があります。詳細は以下のURLをご確認くださいませ。締切は12/4です。