アイキャッチ画像情報▶︎Photo by Birmingham Museums Trust on Unsplash
あなたにとって特別な本はありますか?
子供の頃にこの本に出逢ってなかったらどうなっていたかな?という本はすぐに思い浮かぶのではないでしょうか。
次回のオンライン読書会はマイベスト本の紹介です。
ご参加者で伝えたい方は自分のマイベスト本を紹介していただければと思います。他の人と重なっても面白いのではないでしょうか。
私はもうどの本にするかは決めているので、マイベスト本からは惜しくも外れてしまったものの大切な本を紹介します。きりがないので幼稚園〜小学生の頃に印象に残った本に絞りました。
Contents
西遊記/呉承恩
誰もが知っている「西遊記」です。
実際読み込んだのは画像の岩波文庫ではなく、もう少し子ども向けの本でした。岩波文庫版はもう少し大きくなってから読みましたね。カラフルな挿絵と文章が載っていて何度も何度も読んだものです。
幼稚園の頃、帰るとドラマの西遊記が再放送されていてそれも大好きでよく見ていたものです。エンディングテーマのゴダイゴのガンダーラが大好きでよく歌ってました。
ぜいせーいとわーずぃーにーんでぃあ♪
将来インドに通うことになることも、ガンダーラがインドじゃない(パキスタンだそうです)ことも知らない頃でした。
今も好きですが、歌詞はツッコミどころ満載ですね。そんなユートピアはございません。でも名曲。
後の旅好きはこういう冒険活劇が好きだったからかもしれません。
モモ/ミヒャエル・エンデ
いつも一番にしようか迷う本、モモです。
こういう方は多いと思いますが、私にとってミヒャエル・エンデは特別な作家です。この辺についてはまた別の機会に書きたいと思います。
モモの素敵なところは挿絵がミヒャエル・エンデ本人
という点にもあります。その魅力的な挿絵は「いつか本の挿絵を描く人になりたい」と思わせたものです。ペン画が好きなのも、モノクロの細い線で描く絵が好きなのもこの影響が大きいのかもしれません。
子供の頃は時間に興味があって、小学生低学年の頃の図工の時間でお城を作る課題で時の城を作りました。時計だらけですがバラバラになった時計のパーツの墓場付き。先生は「時計のお城ね♪」と言ってくださいましたが、心の中では時間に縛られている城という意味で作りました。だから墓場は解放された外側の墓場という出口だったのですが、途中まで話しかけて「やだ怖い!」と言われて口をつぐんだ苦い思い出もあります。
さびしい王様/北杜夫
北杜夫氏の「さびしい王様」この本も子どもの頃に強烈なインパクトを残した本です。
でも今思うとあんな小さな子どもの頃にこれが理解できたのか本当に不思議なのですが、子どもって大人が思ってるよりもわかってます
ものね。それは自分の子ども時代を思い返す大人の私にも当てはまることです。
タイトルの通り、文字通り寂しさは伝わってきていました。理解できない部分も多かったのですが、理解できないものは、ひとまずそのまま受け取るという練習になっていた気がします。
自分を取り戻す話だった印象ですが、北杜夫氏は精神科医でもあり、躁鬱病患者でもあったのですね。父親はあの斎藤茂吉ですし、数奇な人生だったのだと思います。その辺もふまえて今の頭で読んだらどうなのでしょうか。最後に読んだのが学生時代なので読み返したい一冊です。
今回は載せませんでしたが、北杜夫氏の本は幼い頃に母に読みかせてもらった「船乗クプクプの冒険」も懐かしく覚えている一冊です。
モモちゃんとアカネちゃん/松谷みよ子
この本も忘れてはいけません。松谷みよ子さんの「モモちゃんとアカネちゃん」。
この三部作でこの巻だったか曖昧ですが、お父さんとお母さんが離婚してしまいます。その表現が物凄いのです。。
お父さんが見えなくなってしまい、靴だけになって帰宅するシーンが印象的です。離婚の意味もよくわからないだろう子ども向けの本で、離れていく心をこう表現をする松谷みよ子さんの凄さを成長してから思い知らされました。
他のシーンも今思うと凄い描かれ方をしている作品です。でも、子どもの感性では決してそれが不思議で終わらないような、実に伝わりやすい表現
だったと思います。
アカネちゃんシリーズは読んでないのですが、こうなると読みたくなってきますね。
大暗室/江戸川乱歩
違う意味で忘れない一冊、江戸川乱歩の「大暗室」。私にとっての江戸川乱歩はこれが一冊目でした。。少しシリーズの中でも厚めだったから選んだのでしょうか。
これが、全然楽しめなかったのです。。怪人二十面相は殺人をしますし、思い描いていた江戸川乱歩とは?何を言いたいんだこの本は?と悶々としながら無理やり最後まで読みました。
なぜみんな江戸川乱歩にハマるのかがさっぱりわからなかったのですが、大人になって「リライト版で最大の問題作」だったからだとわかったのでした。設定も登場人物も改変していていたようです。
「なにこれ、面白くない!他のはどうだ!」
と結局他の江戸川乱歩を読破したわけですが。というわけでお世話になった一冊です(?)
江戸川乱歩って本にはまった子どもたちのある時期の流行り病のような存在ですね。この写真のシリーズがリライト版だったことも大人になってから知りましたが、自分のブームが後は読んだ記憶がありません。
カーテン/アガサ・クリスティ
まさに読んでいた版の写真が見つかりました。
アガサ・クリスティーの「カーテン」。
名探偵ポアロの最後です。
これも印象に強く残っていますが、心がギューっと締め付けられたという意味の印象の残り方です。
アガサ・クリスティーは「そして誰もいなくなった」が一冊目だったので衝撃的に鮮やかなものでしたが、印象に残っているのはカーテンですね。でも名探偵ポアロを一通り読んでないと「なんか暗い本」で全然印象に残らない気もします。
成長期にシリーズ物を読むと自分と共に歩んでいる気持ちになる
のでしょうか。好きなアニメの最終回のお別れの感覚。先が知りたいけど終わらないでほしい感覚にも通じます。
書いてから気づきましたが、カーテンは小学生ではなく中学生で読んだかもしれません。
江戸川乱歩の項で流行り病のようと書きましたが、私にとっては推理小説自体がそうだったのかもしれません。アガサ・クリスティもエラリー・クイーンもあれだけ読んだのに推理小説自体を読まなくなっていきました。有栖川有栖氏が流行った時は少し読みましたが結局数冊で終わりました。
内容をしっかり覚えているものが少ないのが私にとっての推理小説の特徴ですが、アガサ・クリスティは結構覚えているのでやっぱり自分の中で印象が強いのでしょうね。
番外:アガサ・クリスティの表紙/真鍋博
アガサ・クリスティはいつもハヤカワ・ミステリ文庫を古本で買い漁っていました。近所のスーパーの前に時々来る古本屋さんで1冊100円で買えたのです。
理由は真鍋博氏の表紙の絵が好きだったからです。一冊も手元に残っていませんが、画像の「そして誰もいなくなった」「ゼロ時間へ」「死者のあやまち」「終わりなき夜に生れつく」の表紙も好きでした。
こうやって見るとアガサ・クリスティ作品はタイトルがいちいち格好良い
ですね。原作を見たことが一度もないのですが、翻訳者のセンスなのでしょうか。
真鍋博氏は星新一氏のカバーも手がけていましたが、個人的にはアガサ・クリスティの表紙の雰囲気がお気に入りです。
オンライン読書会への誘い
このような由無し事から、真面目な話まで、本にまつわる話を安心した環境で話すだけの会がオンライン読書会です。
参加費は1回300円です。維持費として月に合計1000円のみいただいて残りは寄付しています。私自身も300円を納めての参加です。
海の向こうからのご参加もあり、自分が知らなかった本や未知の世界の本にも出会える1時間です。ご興味ございましたらご参加くださいませ。
次回は2022年5月8日、テーマはマイベスト本の紹介です。
お申し込みはこちらからどうぞ。
お気に入りの一冊を手にご参加くださいませ。