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ヨーガの五原則

スワミ・ヴィシュヌデーヴァーナンダジは以下の言葉を残しています。

Health is Wealth. Peace of mind is Happiness.
Yoga shows the Way through.

健康は宝です。精神の平穏は幸せです。
ヨーガは以下の五原則を通して道を示します。

-Swami Vishnudevananda

シヴァナンダヨーガはアーサナ(ポーズ)をする事だけでも瞑想だけでもありません。総合的なヨーガと呼ばれているだけあり、本来はポーズだけに留まらず、食事などの生活も含めて学んでいきます。

スワミ・ヴィシュヌデーヴァーナンダはそれをわかりやすく五原則として以下のようにまとめました。

ヨーガの五原則

  1. 適切な運動
  2. 適切な呼吸 
  3. 適切なリラクゼーション
  4. 適切な食事
  5. ポジティブシンキングと瞑想

一般的にヨーガのイメージであるアーサナ(ポーズ)は一部である事がわかります。

クラスで行うのは主にアーサナと呼吸法からなので「適切な運動」「適切な呼吸」「適切なリラクゼーション」から学ぶ事になります。


1.適切な運動

筋肉や関節、靭帯など、体の柔軟性を高めて身体の働きを潤滑にします。

一般的にヨーガまたはヨガと呼ばれているものは、ポーズを取ることを指していることが多いです。正確にはアーサナヨーガと呼ばれ、「適切な運動」ではこのアーサナヨーガを意味しています。

アーサナは体を筋肉を鍛える為だけに行うものではありません。また、柔軟性を追求したり、逆立ちなど難しいポーズをマスターする為だけのものでもありません。

よく耳にする「体が硬いからヨガはできない」という言葉ですが、アーサナの効果を知るには硬いほうがわかりやすいのでラッキーであるくらいです。

最初は純粋に身体の柔らかさの向上を目指すところから始める方がほとんどです。背骨に働きかけ、体を健康に若く保ちます。ゆくゆくは内分泌系も整ってきて、感情のバランスも整い、精神性も高めていきます。

一般的なスポーツとは何が違うのでしょうか?

アーサナの形を完璧にする事に捕らわれず、隣の人と比べるものでもなく、過去の自分と比べるものでもありません。今の自分に適切なポーズを取ります。

アーサナは、呼吸にフォーカスしてゆったりと無理なく進めていくので心拍数や血圧が一気に上がってしまったり、上がってしまったままの状態が続くという事がなく、体にとって優しいものです。

激しいスポーツは一気に汗をかくという爽快感はありますが、疲労感も伴います。アーサナヨーガは終わった後は行う前よりもスッキリとエネルギーが満たされた感覚になり、元気になります。また、心も落ち着き、続けていく事でストレスにも強くなり、平穏な心を手に入れる事ができます。


2.適切な呼吸

プラーナーヤーマ(呼吸法)とはエネルギーを統制する技法であり、体や精神の回復だけでなく、思考の統制をもたらします。

通常のシヴァーナンダヨーガのクラスでは鼻から吸って、鼻から吐く腹式呼吸、完全呼吸から始め、調気法と呼ばれる二種類の呼吸法(カパーラバーティ、アヌローマヴィローマ)を行います。

日頃口呼吸で暮らしている方には最初は慣れないかもしれませんが、少しずつ練習して、肺を100%使った完全呼吸が行えるようになっていきます。また、二種類の呼吸法を行い、頭もクリアになり、瞑想しやすい状態に導きます。

最初は効果を実感しにくい呼吸法ですが、徐々に自律神経が整っていく感覚や心身の落ち着きを感じていけるようになる事でしょう。


3.適切なリラクゼーション

体だけでなく心も深く休息し、活力を取り戻すためのリラクゼーションです。

リラクゼーションというとマッサージなどを受けてリラックスする事をイメージするかもしれません。

シヴァナンダヨーガでは、ポーズとポーズの間にお休みのポーズを挟みます。そしてクラスの最後にはたっぷりファイナルリラクゼーションという時間を設けています。

ポーズとポーズの間のお休みの時間で自分の状態を観察したり、ポーズの効果を感じ取ることもできます。徐々にポーズ前とポーズ後の微細な変化がわかる様になってくることでしょう。

また、最後のファイナルリラクゼーションではアーサナを一通り終えた後のニュートラルな自分を感じ、自分自身で深いリラックスをさせていく自己暗示の時間があります。

講師がリラックスさせるのではなく、自分でリラックスさせる事が出来る様になってくるので、個人的にはいつでも役立つテクニックだと感じています。

ファイナルリラクゼーションは時間でいうと15分前後の時間ですが、数時間眠ったのと同じくらいの効果をもたらすと言われています。


4.適切な食事

体と心をより良い状態、サットヴァな質を高めるには適切な食事が欠かせません。

ヨーガでは推奨される食事は菜食です。
インドで主流なのは「ピュア・ベジタリアン」と呼ばれていて、乳製品を除く動物性食品は食べません。

その他、アルコールも摂取しませんし、とても辛い料理なども食べません(とはいえ、インドのアシュラムやグルクラムの料理は日本人には十分満足できるスパイシーさがあります)

また、人によって内容は少し違うこともありますが、野菜では玉ねぎやニンニク、ニラなど、五葷と呼ばれるものやキノコ類も制限したり、エーカーダシーと呼ばれる日には軽めの断食を行うこともあります。

ヨーガを行うと耳にする「ヤマ・ニヤマ」がありますが、一番最初に出てくるのが「アヒムサー(非暴力)」です。

動物性食品の摂取はヒムサー(暴力)に繋がりますのでアヒムサー(非暴力)を守る為にもベジタリアンは推奨されます。口にするすべての食物が心身を作っていきますので口にするものはピュアで栄養価があるものを選択します。

ここまで読むと辛い修行的をイメージされるかもしれません。

ただ、インドのアシュラムではとても美味しい食事が提供され、おかわりも自由です。お腹が空いて満足できないという事はありません。

また、菜食のメッカであるインドでは動物性食品が入ってなくとも満足できる美味しいメニューがあるので私は苦痛に感じた事がありません。

因みに私はベジタリアンですが、無理にお肉やめなくちゃ!と頑張ってやめたわけではありません。身体を壊した後にベジタリアンの生活をしたら心身の調子が良くなったのでやめられなくなったことがきっかけでした。

昔は大好きだったアルコールも、頭の回転のことが気になるようになって自然に飲まなくなりました。

お肉やアルコールが止めれないからヨーガはしてはいけないと思う必要はありません。私の先生はこういう言葉をくださいました。

「自分は絶対にダメという決めつけを捨てて、オープンな気持ちで来てください。」

自分は変わらない、変えられないという思い込みは気付かない内に持っていることは多々あります。学んでいったり、仲間とコミュニケーションを取ったり、理解が進んでいった時に自ら選択する日が来るかもしれません。

よって、お肉を食べてる方を拒む事もありませんので、どうぞオープンマインドでお気軽にいらしてください。

ただ、動物性食品のお持ち込み、差し入れはご遠慮くださいませ。お土産などでいただいても受け取ることができかねます。予めご了承くださいませ。

ゆくゆくは美味しい食事のクラスも作っていければと思っています。


5.ポジティブシンキングと瞑想

ポジティブシンキングと言ったら、辛くても無理矢理前向きな楽観的にならないといけないの?という気もしますが、そういうものではありません。

日本語に訳すならば「正しい思考」が近いのではないでしょうか。

泉が波立ちっている時、覗き込んでも底を見ることができません。同じく、精神が波立っている時も本質まで見ることはできません。自己のの本質を見るためには精神的に安定し、穏やかであることが必要です。

無理に「ポジティブにならなきゃ!」と練習するわけでもありません。ただ、学びが深まっていくと客観的に見られる様になっていきます。変に悲観的になったり、ネガティブになったり、穿った見方をしないようになっていきます。

客観的に見ることができるというのは、人生においてとても大切なことだと感じています。

そして瞑想は心身にとても良い効果をもたらします。ヨーガにだけでなく、日々の生活、仕事、人間関係にとっても良い効果ができます。平穏な心が身につき、集中することもできるようになるでしょう。

また頭もクリアになり、より論理的な思考、冷静な判断に繋がっていくと感じています。

意識を内側に向け、集中することにより、自己の本質に近づいていき、深い集中を経験することができます。これを瞑想と呼ばれる状態です。思考の揺れを静止することによって精神的な安らぎを得ることができるようになるでしょう。