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描いてみたいコーラムを描く方法

コーラムは描く意味の理解、日々のお祈り、認識を広げることが大切だと思っていますが、その図形や模様そのものの描き方の問い合わせをよくいただくので紹介します。

コーラムを描いている方なら、見かけた素敵なコーラムを描いてみたいと思うことは多いと思います。今回は「描いてみたいコーラムがあるけど描き方がわからない」という方が「コツを知ると誰でも描けるようになる」記事です。

絵を描き慣れている人は無意識に、また、当たり前に行なっていることです。でも、どこから手をつけて良いかわからない、難しそうと思ったことがある人は是非目を通してみてください。


描きたいコーラムを描けるようになるには

描きたいコーラムを描ける人とわからなくて尋ねる人の違いは再現する方法を知ってるか知らないかだけです。絵が上手、下手というものではありません。

この記事では、一番お問い合わせの多いシュリーヴァッツァと、描くコツの説明の為にわかりやすいスワスティカのコーラムの描き方を説明します。

以前instagramに載せてからDMで描き方の問い合わせを国籍越えていただいています。コーラムにご興味ある方が増えるのはとても嬉しいことです。

まずはわかりやすいスワスティカのコーラムを使って「誰でもコーラムを描けるコツ」を説明いたします。この方法を覚えると複雑な模様にも応用が可能になります。

用意するもの

  • 描いて見たいコーラムの画像(ここでは上記のコーラムの画像)
  • 方眼ノート
  • サインペン
  • サインペンより細いペン

用意するもの① 描きたいコーラムの画像

まず、このスワスティカのコーラムを描いてみます。

スワスティカのコーラム

用意するもの② 方眼ノート

いきなり米粉で描いても良いのですが、まずは紙に描いてみましょう。
方眼ノートがおすすめです。

方眼であれば何でも大丈夫です。

私は学生時代からこのProject Paperを愛用しています。お値段もリーズナブルでサイズ展開も豊富だからです。

コピーすると方眼が見えなくなること、サイズも色々ある所が気に入っています。因みにこのA5サイズはインドに行く時に愛用しているものです。

用意するもの③ サインペン

ドットを打つ時に簡単なのであると便利というだけです。なければ細いペンでぐりぐり描くことも可能です。

用意するもの③ サインペンより細いペン

絵を描き慣れてない方は鉛筆やシャープペンシルだと消せます。
サインペンより細ければなんでも大丈夫です。

用意するものが揃ったら取り掛かります。

法則を見つけてドットを打つ

図形のようなコーラムの場合は、まずドットを打てるところを探す癖をつけましょう。図形のようなコーラムには大抵法則があるものです。

それではスワスティカのコーラムならどこにドットが打てるか見てみましょう。

線と線が交わっているところにドットが打てるのですぐにわかったのではないでしょうか?

また、最初に中心の赤いドットを2×2で打ち、次に上下左右の赤いドットを打つ癖をつけると描きやすくなります。場所や大きさも確定することができて便利だからです。

サインペンで方眼ノートにドットを打つ

それでは方眼ノートにドットを描いてみましょう。

わかりやすく先に描くとわかりやすいドットを赤でマークしてみました。

法則を意識して描きやすくする

方眼ノートだとガイドがあるので均等に綺麗に描くことができたと思います。ただ、これも作業で終わらせるのではなく、意識してほしいことがあります。

以下の画像のような法則があることを意識して、意識しながら描くことです。

「当たり前」だと思ったかもしれませんが、この法則を意識することは大切です。もっと色んな方向に線を引くことが出来るので、頭の中で線を引いてみても良いでしょう。

これらの線が描きたいコーラムを見た時にパッと見えるようになったり、描く地面に見えるようになると図形は一気に描きやすくなります。

絵が描ける人や、デッサンをしてきた人はこれを無意識か意識的に行なっています。図形はわかりやすいのですが、有機物でも行なっています。(もちろん人によって違いますし、違う方法でも描くことは可能です)

難しく考えず「縦横斜めの規則があるんだな」と描きたい図形に見つけるだけで大丈夫です。法則を意識しているだけで描きやすくなりますし、綺麗に描けるようになっていくことでしょう。

ドットを繋いで図形を描こう

後は打ったドットを繋いでいくだけで模様は出来上がっていきます。以下のように進めてみてください。

3枚目から角度が変わってますが、コーラム自体どちらから描いても良いものなので気にしないでいただければと思います。。

描く順番は誰にでも描けることを意識した手順にしました。

この手順だと感じなかったのではないでしょうか?端っこから順番に描こうとしたりすると難易度は上がりますが、描くコツを得たら難しいものではないことがわかります。

同じように描く必要はありません。自分で描きやすい順番を見つけられるようになることは描くことの上達に必要だと思っています。私も実際にはこの描き順とは異なる順番で描いています。

紙に描いて理解したら米粉で描いてみてくださいね。

シュリーヴァッツァの描き方

基本的には上のスワスティカの描き方と変わりません。ただ、シュリーヴァッツァは重なりを描く必要があるので、少し注意は必要です。

これはSYVPのポーチに描いたもので大きさは縦1.5mくらいでしょうか?

「シュリーヴァッツァ」って?

私は昔からチベットに惹かれていて、そこでこの存在を知りました。チベット文化では吉祥紋として扱われていて、ダラムサラではこの模様のペンダントヘッドも沢山売られていました。意味はわからないまま惹かれていた模様です。

英語ではエンドレスノット(終わらない結び目)と呼びます。

チベットの人にこの模様の意味を聞いた時は、

「Eternal(永遠)」
「Reincarnation(輪廻転生)」

と説明してくれました。

ヴェーダーンタやサンスクリットの先生のヴィシュヌサハッスラナーマのクラスではヴィシュヌの胸にある模様と習いました。実際にヴィシュヌサハッスラナーマのシュローカの中にも登場します。

श्रीवत्सवक्क्षाः श्रीवासः श्रीपतिः श्रीमतां वरः ।।६४।।
śrīvatsavakṣāḥ śrīvāsaḥ śrīpatiḥ śrīmatāṃ varaḥ ।64।

ヴィシュヌの胸にあるつむじともよく説明されているようです。

「えっ、胸毛があんなややこしく…?からまっちゃう…?」

と思ったものですが、ヴィシュヌさんですからそんなことは私が心配する必要ないですね。笑

日本にも伝来しているシュリーヴァッツァ

漢字では「吉祥雲海」とされ、日本に伝わって来ています。

日本の最古のものとして、薬師寺の御本尊である薬師如来の掌と足の裏に描かれているそうです。胸から掌と足の裏に移動していますね。これは毛ではなさそうです。。

と、思ったらどっこい、薬師如来の最初の姿では胸の中央にどーんと描かれていたようです。日本に入って来た時はまだヴィシュヌさんの姿に忠実だったようですね。

胸の中央の卍にご注目。

でもこれはシュリーヴァッツァではなくスワスティカでは?とお思いになった方もおられるかと思います。

シュリーヴァッツァの模様の中心を見ていただくとわかりやすいのですが、卍模様のように見えます。そこから展開してシュリーヴァッツァが描けることがおわかりいただけるのではないでしょうか。

日本では反時計回りの卍は地図記号ではお寺のマークになっています。インドのスワスティカは時計回りが吉兆とされています。

初めてコーラムを描いた時、意識的に反時計回りに描きました。なぜなら45度回転させるとナチスのシンボルであるハーケンクロイツに似ているからです。でも、後から時計回りが吉兆と習ったので必ず時計回りで描くようになりました。

ナチスのマークを想起させるという理由もあり、地図記号のお寺マークを変更しようという動きがありました。幸い見送られたのですが、ナチスどころか昔からある仏教、更に昔からヒンドゥイズムの中に存在している吉祥紋スワスティカです。そちらの意味を大切にできたら、と思っています。

話を戻します。

この模様は完全に覚えてない人がいきなり米粉で描くのは難易度が高い模様ですが、コツを知るとそう難しくありません。

そのコツを紹介していきます。

シュリーヴァッツァの描き方

画像を見てドットを打てる所を探しましょう。シュリーヴァッツァの場合は直線ばかりなので簡単です。

線が交わってる所や角がその場所です。

それでは以下の画像を見て実際にノートにドットを打ってみましょう。

紙のスペースの問題で、最初のスワスティカの1/2サイズで描いています。ドットが交わっていない所ににも打たれていますが、先述した補助線を思い出していただけたらと思います。

ドットの打ち方はこのように法則性を意識するとわかりやすいのではないでしょうか。

斜め45度に傾けたら平行と垂直に打つだけなのでもちろん簡単なのですが、シュリーヴァッツァのように縦横の方向が決まっている時はその方向から描けた方が大地に描く時も狙った通りの角度で描きやすいです。

ドットが正しく描けたらあとは繋ぐだけです。

どちらが上に重なるのかなどわかりづらいので、最初は見ながら繋いでいくことをおすすめします。

点が打てたら完成したも同然で、あとは正しく繋ぐだけということをおわかりいただけたと思います。

方眼ノートだと簡単に描けたのではないでしょうか?
規則性のある図形はこのドットの配置と規則性を見つけてドットの数を数えるだけで描けてしまうことがわかると思います。

応用してみよう

ネット上にある色んなコーラムを見て、ぜひこの方法を使って描きたいコーラムを描いてみてください。

絵画のように全てフリーハンドで描いているものには使えませんが、シンメトリーな図形タイプであればこの方法は大抵使えます。

自分で分析して描くだけで図形を読み解けるようになってきたり、描けるようになっていきますので、ぜひ試してみてくださいね。