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映画

映画『モリのいる場所』

遠くに行きたい。

どこでもいいから遠くに行きたい。

遠くに行けるのは、天才だけだ。

— 寺山修司

 

昔も今も好きな言葉です。

十代から30代半ばにかけて、私の生活の楽しみの多くは「旅」が占めていました。バイクや車、電車、飛行機、バス…手段は何でも良かったのですが、遠くに行く事、見た事が無い所を見る事に大きな価値を感じていました。過去形で書いていますが、今、旅を否定している訳ではありません。その頃の思い出はどれも大切ですし、その中で学んだ事や得た事も沢山あったと思います。でも、いつも「もっと遠くへ行きたい」という気持に終わりは無く、あれだけ来たかった場所に来てもその満足は続きませんでした。でも旅ってそういうものだと思っていたのでまた次の旅に出るのでした。

今年の始め、1台のバイクを手放しました。

旅をしなかったらストレスで狂いそうになってた頃もあったのに、今は年に一度、インドに行くのみです。でも旅が一番だった頃より今の方が遥かに楽しく生きています。

もうかなり前の話ですが映画『モリのいる場所』を観に行きました。
実在していた熊谷守一氏という画家が主人公のこの映画に興味を持った理由は、主演が山崎努さんと樹木希林さんだった事も大きいのですが、その熊谷守一氏こと「モリ」が数十年庭から外に出ずに蟻や池、魚、空を眺めたりして夜に絵を描くという生活を送っていたという点でした。

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